『睡眠薬中毒』PHP新書・内海聡著


 最近読んだ本から。

 表題の新書は、そのタイトルに引かれて手にとった本です。仕事柄、睡眠薬を常習的に使用している人が周囲に多いのです。

 著者内海聡医師は、SNSの世界では有名な方のようで、そのかなりの辛口コメントは共感者も多いが反感をもたれる方も多いようです。

★「朝まで眠らなくては」の常識を捨てることで

 私は医療的知識は皆無なのですが、読んでいて睡眠薬についての今までの疑問が溶解され、納得できる部分が多々ありました。

 睡眠薬の多くが、なぜ服用しているうちに効かなくなり量を増やさなければならなくなるか、著者が「抗精神薬と同じ」というが、なぜ依存症になってしまうのか、なぜ副作用がみられるのか、それらを丁寧に説明しています。

 断薬については具体的な説明があり、「減薬・断薬の方法に絶対はない。」と、いいます。

 一方で、「たまに眠れないくらいが長生きできる」とも。「『朝まで眠らなくてはいけない』という常識を捨てる」とも説いています。

★人生に軸をもっているか、と問う

 最後に著者は「人生に軸をもっているか」と問い、「眠れないことを『治すべき症状』だと思う人と『当たり前』と思う人では何が違うのか」と問い、「世の中の常識、巷(ちまた)の情報を鵜呑(うの)みにするか、自分で考えるかの違いだ」といいきります。ここに私は共感します。

 すべからく人間には依存症があると言い、甘いもの、酒、お金、仕事、恋愛、家族……。何かしらに依存しているが、それを自覚しているかどうかで、大きな差がつくとも言います。

 ただ、私は「依存」そのものの存在は「悪」とは思っていないのですが。

★不眠の原因を問い、それを取り去る工夫を

 また、気づかないうちに不眠を作り出している原因について、食べ物・電磁波・呼吸の仕方・昼間の活動の4点をあげていますが、生活の中に悩みを抱え、悶々として毎夜眠れない方も多いと思います。そんなときは、躊躇(ちゅうちょ)せず誰かにその悩みを相談してみる、話してみるのも、ひとつの不眠解決方法ではないでしょうか。

 不眠を解消するのは「医者の仕事でもカウンセラーの仕事でもない。あなた自身の問題である」と著者は結んでいるのですが、話す事で自分の気持ちが軽くなり、気持ちが軽くなることで不眠の改善がなされれば、それは幸いなことだと思うのです。

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