はらが立ったらどうするか

★怒りの行方

 一方で、私のなかの怒りがふつふつと湧いてきた。なんの怒りか。

 あるブランドのサービスストアでのこと。

店員「どんなことを教えて欲しいのですか」

私「このPCのバックアップをとりたいのですが」

店員「こんなこと、電話でサポートセンターに聞いてくださいよ」

私「昨日電話で聞いて、ここに来てもらえれば説明しますよ、とのことでしたよ」

店員「やってもいいけど、金額かかりますよ。バックアップの指導なら1万2000円かかりますね」

私「USBは持ってきたので、ここに入れるやりかたを教えてもらうだけなんですよ、そんなにかかるんですか」

店員「サポートセンターに聞けば簡単なことを。ここで、1対1で指導していたらやってらんないですよ」

★怒りは相手にも伝播した

 男性店員と会話しながら、『確かにね。こんな簡単なことをいちいち聞いてくんなよ、というきもちだろう』と、一方で考えていた。

 彼は顔を赤くして、これをやればこの値段、これを指導すればこの値段と言い始めた。

 でも一方で『あなたの対応は、やっぱりおかしいよ。いちおう私は客だ(まだこの店では何も買っていないけど(笑))。客と店員という関係で最低限のマナーはあるはず』、『さて、どう言ったら彼はそのことを分かってくれるだろうか』とヒートアップする頭の片隅で、考えている私がいた。まだ何か言うつもりだ、私は。

 そこが私の悪いところだ。何も言わずここで撤収すれば、不快感はそれ以上増幅することがないのに。相手にとっても。

★ブランドを背負うということ

「○○○○社に、こんな対応をされるとはがっかりね」と捨てゼリフ(!)を残して私は立ち去ろうとした。

 店員がちょっと見せてください、と手を出した。

 店員は私が持参したノートパソコンを開いて、手際よく説明をしながらバックアップの手順を説明してくれた。その間2〜3分(!!)。

私は「ありがとう」と言った。そして、またもや捨てゼリフを(ヨセバ イイノニ……)。

「私がノートPCに○○○を使っているのは、創業者の理念に共感したからよ。あなたの言い分もわかるけど。こんな簡単なことにいちいち対応していたらやってらんない、と思っている。それはそうだわね。でもね、客との対応には最低限のマナーがあるでしょ。やっかいな客に対して、追い払うというのではなく、気持ちよく撤退してもらうための。ファンをがっかりさせるような対応をしないで欲しい」。

★その怒り、どこからきたのか

 物事が、自分が思い描いていた通りにならないと、人は何かしらの衝撃を受ける。それが落胆だったり、悲しみだったり、怒りだったりするわけだ。

分からないことをたずねる→親切に教えてもらう→よく分かるようになる→今まで以上に作業がサクサクはかどる

 これが、無意識ではあるが、私が思い描いていたことだった。期待は見事にひっくり返った。落胆し、私の感情は落胆から怒りに変わったのだ。いま冷静に分析すると、なんと幼稚な感情の発露であったことか。

 自分の思うようにコトが運ばないことで、人は怒りを抱く。まるで駄々っ子だね。そうだよ。怒りの感情が沸いてきたら、それは幼稚な感情の発露だ、そう肝に命じよう。

(画像上:能面の大癋見(おおべしみ)*主に天狗の役に使用、口をぐっと閉じ、目を見開き悲しみを内面に抱く。ネットから拝借しました。画像下:沖縄・伊是名の浜辺。筆者撮影)

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